[検査結果を考える]

他施設から送られてくる、一般的なインプラント術前CT検査結果は、主に次の3つです。
1.DICOMデータ
2.フィルム
3.PCソフト
病院にもよって送られてくる検査結果は異なります。これらのうち一つか、あるいは複数です。

1.DICOMデータ
DICOMデータが保存されたCDを用いて、PCによる画像解析、画像診断を行うことが理想的です。DICOMデータには全ての情報が詰まっているため、術者自身が画像解析から診断まで行うことで、余すところなく情報を引き出し臨床に役立たせることができます。

ただ残念ながら、
・画像解析をするためのPCソフトウェアは、高価なものが多い
・画像解析・画像診断のためには、ある程度勉強する必要がある

フリーウェアの中で最も有用なものとしてOsiriXがあります。残念ながらWindowsでは使えないソフトウェアで、使用するためにはMacintoshを使う必要があります。Windowsではオススメできるフリーウェアはないため、フリーウェアを考えるならMacintosh1台の出費は仕方ないと考えるしかないでしょう。

OsiriXは非常に有用なソフトウェアですが、インプラント術前検査に必要な画像処理、Curved MPR(Dental-mode)機能は有していません。これはプラグインと呼ばれるプログラムを追加することで、Curved MPR機能が使えるようになる。

当院では、インプラント術前検査用OsiriXプラグインを、有償にてご提供しております。ご興味ある方は、ご連絡ください。

2.フィルム
一言で言うと、インプラント用のフィルムが出力できているかが、問題となります。診断用ステントを使用して、きちんと骨長や骨幅が測定できるのか、確認する必要があります。骨長も骨幅も“最短距離“の必要があるため、歯槽頂から斜めに距離測定するようであれば、意味をなしません。このあたりがきちんと考慮された上で、フィルム作成されているかどうか、非常に重要です。

インプラント埋入において、通常のAxial画像は不要と思っている歯科医師は多いと思います。私自身、不要と思っております。しかしながら、歯科に精通していない病院では、医科の慣例に従って、何枚もAxial画像フィルムが同封されていることも多いようです。

3.PCソフト
医科用ヘリカルCTに付属した機能として、CDにソフトウェアごと焼いて、歯科医院側のPCにソフトウェアがインストールされていなくても、画像閲覧可能なものが増えてきています。しかし、多くのものはMPR画像が見られるだけであり、Curved MPR(Dental-mode)は見られないケースが多いようです。MPR画像であっても、機能を十分に使いこなせば、骨長や骨幅を性格に測定することは可能です。しかしそのためには、簡単なソフトとはいえ十分に使い方を知る必要があり、画像解析についても知る必要があります。